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相鉄9000系に搭載されている、あまりにも古すぎる機器とは?

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神奈川県大和市在住、相鉄線ユーザーのkeitrip/須田 恵斗です。

1993年から2001年にかけて東急車輛(現J-TREC横浜)にて7編成が製造され、
相鉄で最後の直角カルダン駆動、外付けディスクブレーキを採用したオリジナル車両である相鉄9000系電車。

2016年以降に、残存する6編成に対し、デザインブランドアッププロジェクト「YOKOHAMA NAVYBLUE」へリニューアルが行われ、新型車両と遜色ないものとなった同形式ですが、
その姿に似つかわしくない古い機器が未だに搭載されています。

その機器とはどんなものなのでしょうか?

著者プロフィール
この記事書いた人
須田 恵斗

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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3回にわたり大きく変わった9000系

写真は2020年12月に廃車となった9701×10

1993年から2001年にかけて7編成製造された9000系は、デビュー当初は旧7000系に準じた赤い塗装となっていました。
先頭車の非常扉側の側面の塗装は、赤い帯が「Z」を描くようにして上部に帯が移動する、独特のかっこいいデザインとなっています。

2007年から、相鉄グループの新CIが制定されたことに伴い、2009年にデビューした11000系に準じた、白い塗装・青とオレンジ色の帯に、順次塗装変更されていきます。
なお最後の旧塗装(赤塗装)であった9705×10は、新CI塗装にならず、そのまま現在のYOKOHAMA NAVYBLUEにリニューアルがされています。

2014年3月30日より、これまでの相鉄ATSに代わり、JRと同様のATS-Pが使用を開始しました。
ATS-Pに対応するため2013年~2014年にかけて、※VVVFインバータ装置の交換、停車直前まで電制が効く純電気ブレーキの搭載が行われました。

※東洋電機製ATR-H8180-RG638-A-M(GTOサイリスタ)から日立製VFI-HR2820Q(IGBT)へ換装

個人の感想になりますが、これまでの京急600形や京成3700形のような特徴的なVVVF励磁音から、9000系特有の直角カルダンの低い駆動音がより響くものに変わり、もっと相鉄らしくなったと感じました。

2016年より、多くの方がご存じの通りデザインブランドアッププロジェクト「YOKOHAMA NAVYBLUE」がスタート、それの第1号として9000系がリニューアルされました。

2016年~2019年にかけて、廃車対象となった9701×10を除く6編成に対して施工されます。

そのリニューアルは、

  • 連結器カバーの撤去
  • 種別・行先表示器の交換
  • 前照灯の上部移設
  • 客用扉の交換
  • 車内の化粧板・床面の交換
  • つり革・モケット・袖仕切りの交換
  • LCD式案内表示機の設置
  • 妻面扉をガラス戸のものへ交換

と、徹底したリニューアルが行われました。
外装面もそうですが、内装面は後に登場する新型車両12000系・20000系と遜色ないものとなっています。

機器更新と、内外装の徹底したリニューアルが行われた9000系ですが、実は半世紀前の機器を搭載しています。

そのある機器とは?

独特の低い駆動音を響かせながら9000R系が到着。まるで新型車両のような車内に入ります。

そして停車中に耳を澄ませると、分かる人には分かる、新型車のような車内には似つかわしくない「ウィーーーーン」って音が車内に響いていてきます。

特にモハ9200の3両、3号車・6号車・9号車で、その音が響き渡ります。
発生源は、モハ9200の3両のようです。その3両には何の機器が搭載されているのでしょうか?

その正体がこれです。架線からやってきた直流電気1500Vを、空調や照明などに使用するため三相交流電気に変換する、補助電源装置の一種である電動発電機(MG)です。

仕組みは極めて単純で、直流電動機で交流発電機を回して、電気を変換します。

しかし、この方式では可動部が多くエネルギーロスが多いため、半導体を用いて変換する静止型インバーター(SIV)に変わりつつあり、
小田急など、MGを搭載していた車両をリニューアルの際に、SIVに交換すると言ったところもあります。

相鉄では、9000系に近い年代の車両では、新7000系や8000系前期型(8701×10~8707×10)などで採用されていましたが、20000系・21000系の導入で廃車となりました。
そのため2022年現在、9000系は相鉄を走る車両で唯一のMGを搭載する車両となっています。

この9000系のMGは、前述の新7000系や8000系と異なり、落成時に作られた新造品ではなく、9000系が置き換えていた6000系車両(1961年~1970年製造)の廃車発生品を流用しています。

つまり、半世紀前の機器を交換せずに未だに使用をしているのです。

なので、駆動音も少々甲高い「ウィーーーーン」って大きく響く、車両デザインに似つかわしくない昔懐かしい音となっているのです。

9000系(流用前は6000系)のMGに似たような音を出す車両は、京王3000系などが挙げられます。

おわりに

2022年現在、最古参編成が1993年製の9000系9702×10となっている相鉄で、
50年以上前の機器が未だに現役で、交換する機会はあったのに、交換されていないのが冷静に考えてすごいなと思っています。

今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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著者プロフィール
この記事書いた人
須田 恵斗

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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