1993年に、既存車両6000形を置き換えるためにデビューした6300形。
1993年~1994年に製造された前期型と呼ばれている1次車・2次車が13編成と
1999年~2000年に製造された後期型と呼ばれている3次車が24編成の計37編成が製造され、今年5月までの三田線の都営車両は、全てこの6300形でした。
ですが、今年5月に待望の新型車両 6500形のデビュー。それにより、前期型の13編成の置き換えが決まっています。
今回は、置き換えが進んでいる 前期型1次車・2次車を紹介します。
車両外観
三田線のカラーである青を押し出しつつも、赤い帯で締めた、引き締まったデザインです。
1次車は小さいスカート。2次車は大型のスカートが採用されています。
1999年以降に製造された3次車は、車両デザインこそ変わらないものの、搭載機器や内装に大きな変更が加えられています。
外観の違いとして、ドア窓の違いと、スカートの形状が異なるところです。
車内
車内は片側の優先席を除いて、ロングシートとなっています。
仕切り板は小型のものです。シート中間部分には、手すりが追設されています。
2005年より実施された、C修繕工事の時期の違いにより、編成ごとに床の色・デザインが異なります。
今回撮影した、6310編成は黒茶色の床材。6301編成はブルー系の床材になっています。
6300形前期型、最大の特徴は一部優先席がボックスシートとなっているところです。
ボックスシートといっても、近郊型電車のような枕はなく、外観はロングシートの座席をそのまま向きを変えたような形となります。
なお、優先席のつり革は、
6301編成は、つり革保持パイプがそのままドアから続き、ボックスシート側はドア付近と同じ高さの短いつり革が採用。5つのつり革が並びます。※車椅子スペースと同じようなつり革配置
6310編成は、つり革保持パイプが独立しており、片側のロングシートと同じつり革配置となっています。こちらは4つのつり革が並びます。
多くの画像や動画を断片的に集めてみたところ、1次車(6301編成~6305編成)と、2次車(6306編成~6313編成)で、このような細かな違いがあるようです。
つり革
一般座席前のつり革は、C修繕の際に、前期型の大半の編成で交換が行われました。
6301編成と6313編成は、従来通りの五角形のつり革が採用。6302編成~6312編成は、おにぎり型のつり革に交換されています。
1999年以降に製造された後期型は、全て丸形です。
ドア付近のつり革は、優先席のを除いて、丸形の物が採用されています。
LED式情報案内装置
ドア上には、LED式情報案内装置が設置。英語表示とナンバリング表示に対応しています。
この案内装置は千鳥配置で、設置されてない箇所には、このドアが開くか否かの小型の案内装置があります。
行き先表示機
3色LED式の行き先表示が採用。東急線内では種別が表示されますが、三田線内では各停は種別が表示されません。
乗り心地レビュー 西高島平~目黒
ということで、三田線の終点:西高島平から、三田線の起点:目黒まで乗車します。
今回は、写真左手の6301編成の各駅停車日吉行きに乗車します。
夜の西高島平駅を発車。GTOサイリスタ素子を用いた、初期のVVVFインバーター特有の、けたたましい爆音を響かせながら加速していきます。
1次車(6301編成~6305編成)は三菱製の装置が、2次車(6306編成~6313編成)は日立製の装置が採用され、励磁音はほとんど同じです。
加速し終えたら、断流器の「ガチャン」って音が車内に響き、惰性走行に入ります。
WNドライブであることやギア比が 14:99 = 1:7.07 と高いこともあり、ゴロゴロと駆動音と振動が響きます。
そして、同じく高架駅の新高島平に到着。志村坂上~西高島平は、高架線の地下鉄区間として比較的よく知られています。
そして、団地に囲まれて進みながら、次は車両基地への入出庫線がある高島平に到着です。
高島平は2面4線の駅。アーチ状の高い独特の屋根が特徴です。
志村三丁目駅発車後、急カーブを描きながら一気に高度を下げ、志村坂上に到着です。
ここから地下鉄らしく、ずっと地下区間を走行します。
その後、巣鴨、神保町、大手町と、東京の主要な地区を通ります。
白金高輪駅に到着。春日(後楽園)で交差した、東京メトロ南北線と合流、目黒までの2区間は、都営とメトロの共用区間となります。
駅の設備、放送やメロディーは東京メトロ仕様。車両と車内放送は都営交通仕様のギャップが続く不思議な区間です。
白金台に到着。9000系B修繕車とすれ違います。あちらは修繕前は、6300形前期型同様、優先席の一部がボックスシートとなっていました。
西高島平から約55分:目黒駅に到着。電車は引き続き、東急目黒線の終点:日吉まで走ります。
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先日 ついに廃車発生
2022年5月26日 6300形に廃車が発生しました。廃車となったのは、6304編成です。製造から28年11か月のことです。
14日に新型車両6500形がデビューした三田線。順次投入が進み、東急の車両の8両化も行われ、今後もますます便利になりますが、その一方で既存車両の退役が進みます。
この6300形自体は、今後も残りますが、平成レトロと言っても過言ではない、独特のけたたましいVVVF励磁音は、もうまもなく姿を消します。
相鉄線との直通を含め、今後の1年で大きな変化を遂げる都営三田線。2022年はいわゆる過渡期とよばれる時期だと思います。ぜひ、早いうちに三田線を訪れることをおすすめします。
今回も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
相鉄グループ情報および直通線情報(鉄道コム)
掲載日 | コらム |
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