2023年3月18日より開始された、相鉄と東急の直通運転。
相鉄のYOKOHAMA NAVYBLUEの車両が、東急東横線・目黒線とその先の地下鉄線に姿を見せるようになり、相鉄線側では東急の車両が走るようになりました。
東急では、既存車両の5050系4000番台(東横線)・5080系(目黒線)が、相鉄乗入車両として用いられていますが、これらの車両が属する東急5000系列は、長期に渡り製造された事や、複雑すぎる組換や転属によってバリエーションが、非常に豊かである事が知られています。
今回は、相鉄線内に乗り入れる東急5000系列限定で、乗れたらラッキーな風変わりなレア車両5種類を紹介します。
4101F~4104Fの6号車 田園都市線5000系組込
2013年副都心線直通開始前後に10編成、2024年現在は15編成が在籍してる東急5050系4000番台(10両編成)。
そんな5050系4000番台の内、4101F~4104Fの6号車は、5050系新製車両で無く、田園都市線向け5000系として製造された車両を転用したものとなっています。
そのため、赤系の内装となっている中、6号車の1両だけ、青系の内装と明らかに異なっています。
6号車の元5000系車両の経歴は、以下の通りです。
現在の車番 | 暫定組込時の車番 | 登場時の車番 |
---|---|---|
デハ4601(4101F) | サハ5469(5169F) | デハ5918(5118F) |
デハ4602(4102F) | サハ5473(5173F) | デハ5919(5119F) |
デハ4603(4103F) | サハ5474(5174F) | デハ5922(5122F) |
デハ4604(4104F) | サハ5472(5172F) | デハ5921(5121F) |
4101F・4102F・4103F・4104Fの6号車に組み込まれているデハ4600ですが、
元々は5118F・5119F・5122F・5121Fのデハ5900として製造された車両でした。
上記の5118F・5119F・5122F・5121Fですが、東急に詳しい方ならご存じの通り、現在も同じ編成番号にて、東横線の8両編成として活躍しています。
順当に行けば田園都市線にて運用される予定でしたが、田園都市線の6ドア組込車両を3両へ増結、JALの倒産による費用捻出が困難な中、東横線の副都心線対応のための車両増備を行うため、田園都市線投入予定であった3編成、5118F・5119F・5122Fが、東横線にて使用されることになりました。
5121Fは当初は予定通り、田園都市線にて運用されていましたが、こちらも東横線に転属されることになり現在に至ります。
車両転用により余剰となった5000系は、5050系に組み込まれることとなりました。
単独電動車であるデハ5900は、暫定的に電装解除(機器は撤去せず使用停止)とし、5050系8両編成、5169F・5173F・5174F・5172Fに組込。
その後、10両編成である5050系4000番台製造に合わせ、再度電装化され、4101F・4102F・4103F・4104Fに組み込まれて、今の姿となっています。
4110F Shibuya Hikarie号
副都心線直通運転開始後の2013年4月に増備された4110F。
この編成は、2012年に開業した東急の商業施設「Shibuya Hikarie」の開業1周年を記念して作られた特別仕様車です。
渋谷をテーマに車両ごとに3種類内装があり、座席もハイバックシートとなっています。
車両寸法も、イベント運行で他の東急線に入れるよう、田園都市線5000系やY500系と同じ寸法となっています。
特別な外観・3種類の特別な内装も相まって、東急5000系列の中で、特に人気な編成となっています。
4111Fの6・7号車 増結用新造車両組込
2013年の副都心線直通開始以後、10編成体制であった東急5050系4000番台ですが、2020年6月に1編成新たに加わりました。それが4111Fです。
この4111Fですが、元々は8両編成の5173Fに中間車両を新たに増結し出来たものです。
2019年に元住吉事故の補填で製造された5178Fと、同時に落成した2両の中間車を組み込み、組成されました。
内装ですが、木目を意識した壁面に緑色の座席となっています。
細かいところ言うと、袖仕切りやドア部品等は田園都市線6ドア置換車の要素を残しつつ、床面はフローリングと、製造中であった2020系シリーズに準じた仕様が混ざったものとなっています。
同時に製造された、5178Fも同様の内装です。
座席は2020系等と同じハイバックシートとなっているものの、田園都市線6ドア置換車・5177Fと異なりヘッドレストは省略されています。
後に製造される3000系・5080系増結中間車両も同様の内装ですが、こちらはハイバックシートでなく、通常タイプの座席に戻っています。
4112F~4115Fの4・5号車 Qシート車両組込
2023年3月の東急新横浜線開業、相鉄との直通に備え、新たに2両車両を増結し出来たのが、4112F~4115Fです。
元々は現在の編成番号順に数えて、5166F・5167F・5168F・5169Fでした。
4112F~4115の特徴は、多くの方がご存じの通り、2023年8月10日にサービス開始された有料座席サービス「Qシート」が4号車・5号車に組み込まれている点です。
外観も車体全体を赤でラッピングした、目立つものとなっています。
デュアルシートが備えられているのはもちろん、座席モケット・乗降扉の化粧板が2020系列と同じデザインとなっています。
また車内照明も電球色となっています。
「Qシート」の運用の関係で、現在は使用列車がある程度固定化されていますが、他と比べると豪華な座席なため、乗れたら嬉しい車両の一つです。
5189F・5190Fの4号車 大井町線急行6000系組込
現在、目黒線で10編成が活躍している5080系。元々は6両編成でしたが、相鉄直通に備え2022年より8両編成化がされています。
同車は8両編成化の際、2020系に近い仕様の中間車両を新たに製造し、2両組み込むのが基本となっています…
が、5189F・5190Fに関しては、5号車サハ5580は新造車両であるものの、4号車デハ5480は、大井町線急行車両6000系車両を転用したものが組み込まれています。
そのため、5189F・5190Fの2編成は、
- 6両時代からの在来車両
- 増結用の新造車両
- 大井町線6000系を転用した増結車両
と3種類の内装が混在する事となり、鉄道趣味的に大変面白い編成となっています。
これは、大井町線6000系7両編成化と、後の6000系2編成へのQシート車組込による車両捻出が関係しています。
2017年下期、2008年運行開始以降6両編成であった、大井町線急行が7両編成に増結されることが決まりました。その際に新たに6000系を1両新造し、増結されます。
その後、2018年より、大井町線急行6020系でQシートがサービス開始。
運行開始後2019年より、Qシートの予備車を確保するため、6000系2編成(6101F・6102F)にも、Qシートが新造され組み込まれることとなりました。
それにより、増結用に2017年に製造された、デハ6301・デハ6302が余剰。同車は営業運転から、わずか1年半で編成から外れたことになります。
余剰となった2両は帯を貼り替えられ、デハ5189・デハ5590として、5080系5189F・5190Fに組み込まれ、現在に至ります。
このデハ5189・デハ5590は、ここで話すと本記事の趣旨から外れるくらい、意外と奥が深いです。
同車が組み込まれている、5189F・5190Fの詳細は、この記事をご覧ください。
参考資料
相鉄グループ情報および直通線情報(鉄道コム)
掲載日 | コらム |
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2024年5月14日 | 東急、「導入から20年超え」車両のリニューアル実施へ 対象車両や内容は? 広報に聞く |
2024年5月4日 | JRの通勤型車両を使う「特急」「急行」が!? 直通路線をゆくE233系の「花形運用」 |
2024年3月10日 | 相鉄10000系、始動する「リバイバルプロジェクト」 2種類の復刻カラー実現なるか!? 【復刻決定おめでとう!!!】 |
日付 | イベント |
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7月25日(木)より | ゆめが丘駅副名称「ゆめが丘ソラトス」設定・ソラトス改札口 供用←new |
7月25日(木)より発売 | 相鉄 ゆめが丘ソラトス開業記念入場券 発売 |
7月25日(木)~8月15日(木) | 相鉄 ゆめが丘駅 ゆめきぼ切符キャンペーン 開催 |
7月21日(日)より | 相鉄・JR直通線、渋谷駅新南改札移転(新駅舎供用開始)←new |
7月28日(日) | 相鉄本線和田町駅 ホームドア 運用開始(上下線とも) |
7月7日(日)販売 | 相鉄 星川みほし アクリルスタンド 販売 |
7月7日(日)~7月31日(土) | 相鉄 星川みほし バースデー記念ミニラリー |
7月6日(土)販売 | 相鉄 そうにゃん手ぬぐいなど 販売 |
7月6日(土)~9月1日(日) | 相鉄 夏のそうにゃんスタンプラリー2024 |
5月18日(土)~11月下旬 | 相鉄10000系旧塗装・赤塗装復刻ラッピングを運行 |
5月14日(火)より当面の間 | 東急 5050系 新幹線デザインラッピングトレイン 運転 |
4月27日(土)より発売 | 相鉄 12000系プラレール 販売 |
4月1日(月)より | 横浜駅・二俣川駅に副駅名を設定 |
3月21日(木)~来年3月頃 | 相鉄 11代目そうにゃんトレイン 運転【運行中!】 |
3月4日(月)より当面の間 | 東急3020系 新幹線デザインラッピング運行【運行中!】 |
掲載日 | ニュース |
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2024年5月13日 | 東急、新丸子駅をリニューアル 2026年上期に竣工予定 |
2024年3月18日 | 東急東横線・目黒線・新横浜線 日吉駅の天井をリニューアル |
2023年11月6日 | 相鉄、海老名駅改良工事の今後のスケジュールを発表 2025年上期に新改札口を供用開始へ |
2023年4月18日 | 相鉄ゆめが丘駅のリニューアル工事、2024年夏ごろに完成 |
今回紹介する5種のレア車の中で、最も地味で分かりづらいですが、このようなタイプは4111Fの1編成2両のみなので、この知識があれば、乗るのも楽しくなるかもですね…