2023年3月18日のダイヤ改正を以て、相鉄線と東急線は、相互直通運転を開始します。
2月17日に相模鉄道より、相互直通運転を含めた、全線全列車の時刻が公開され、
2022年12月のプレスリリースでは、公表されなかった、より詳細な情報がわかりました。
その中で、特に相鉄線利用者に衝撃を与えたのが、相鉄の伝統の種別である「急行」の運転がない事です。
2019年11月のJR直通開業以後も、西谷駅に停めることがなかった「急行」ですが、
なぜ2023年3月改正以降は、運転がされなくなるのでしょうか?
60年以上の長い歴史を持つ相鉄を代表する種別「急行」
この相鉄の急行は、1957年に運行を開始した準急をルーツとする、60年以上の長い歴史を持つ種別です。
運行開始当初は、上り1本のみの運行で、停車駅は【海老名~希望が丘間各駅と横浜】
と、二俣川駅を通過する以外は、現在と変わらない停車駅となっています。
翌年1958年より、下り1本が運行され、1往復体制となり、
1960年から、二俣川駅にも停車する準急電車「おかいもの電車」が運行を開始します。
1964年4月の改正で、全ての準急電車が二俣川駅に停車するようになり、
同年11月に「急行」と名前を変えて、現在に至ります。
横浜~二俣川間をノンストップ運転を行う徹底した遠近分離を図る種別で、
かつ早朝深夜帯を含む全時間帯で運行し、運転本数も非常に多かったこと、
希望が丘以西の駅は、大半の電車が急行だったという事もあり、
相鉄本線利用者からすれば、乗り換えなしで横浜へアクセスができる、非常に馴染みのある種別となっています。
その後、1999年に急行を補完する種別として、いずみ野線方面の快速が運行を開始。
2014年より、二俣川より西の区間でも通過運転を行う「特急」が運行を開始。
2021年ダイヤ改正を以て、日中時間帯の急行の運行がなくなり(2014年改正~2015年改正も運行が無かった)
徐々にですが、京急で言う快特のような主力種別ではなくなりました。
なぜ「急行」の設定が無くなるのか?
2023年3月18日の、東急との相互直通運転開始のダイヤ改正を以て、急行の運転がされなくなりますが、なぜなのでしょうか?
結論としては、新横浜線電車との接続に使えない、横浜駅~西谷駅の区間列車の設定による乗り換え回数の増大を防ぐためが考えられます。
「新横浜線電車との接続に使えない」は、急行はご存じの通り、西谷駅に停車しません。
東急との直通運転開始により、新横浜線の運行本数は大幅に増加しますが、
その中で西谷駅を通過する急行を設定すると、二俣川と西谷の2回乗り換えが発生することがあります。
全列車が西谷駅に停車するようにし、乗り換えを西谷駅に統一することで、
複雑なダイヤの中でも、比較的容易に新横浜線方面へアクセスを行えるようにする意図が考えられるでしょう。
「横浜駅~西谷駅の区間列車の設定による乗り換え回数の増大を防ぐため」は、
二俣川と西谷の間にある鶴ヶ峰駅の利便性を保つためと言い換えるが出来ます。
今回のダイヤ改正を以て、いずみ野線と新横浜線が走行する、西谷~二俣川間の線路容量不足を補うため、横浜~西谷間の区間列車が走るようになります。
横浜~西谷間の区間列車の前後を、急行が走ると、
鶴ヶ峰から横浜まで行くのに、西谷で区間列車との乗換が発生するようになり、横浜駅への利便性がより低下してしまいます。
鶴ヶ峰駅利用者は、区間列車への乗換が関係ないように、通勤急行や快速に置き換えるが決まったと言えます。
これまで、各駅停車でも乗り換え無しで横浜駅へ行けていたものが、一つ隣の西谷で乗換が発生するようになると、抵抗を覚える方が多いのも、容易に想像が付きます。
鶴ヶ峰駅も、利用者が比較的多い駅ですので、利便性低下を防ぐのと混乱を少しでも抑えるという観点が考えられるでしょう。
2つの点をまとめると、相鉄線各駅~横浜駅間と、相鉄線各駅~新横浜線方面、双方の乗換回数を極力減らすように、考えた結果が急行の運転取りやめと言えます。
おわりに
2022年12月のプレスリリース等では、正式には廃止とは発表がされていないので、
個人的に、今後のダイヤ改正での復活を期待しています。
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掲載日 | コらム |
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掲載日 | ニュース |
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