現役プロ相鉄ナー(自称)のkeitrip/須田 恵斗です。
相鉄では、在籍する全ての車両を「YOKOHAMA NAVYBLUE」に、塗装変更や内装交換をするプロジェクトが進行しています。
2019年には、リニューアル第1号となった、9000系の残存する全6編成への施工が完了。
2020年になり、8000系の8709×10、10000系10701×10に、外装変更・内装交換が行われました。
しかし、それ以降に更新工事が行われた、10702×10・10703×8では、床下機器や行き先表示機の交換、灯具移設は行われましたが、YNB化は施工されていません。
2022年度には、8000系8708×10・8710×10も同様で、行き先表示機の交換と灯具移設、自動放送装置設置のみが行われています。
なぜ、一見すると中途半端な更新が行われたのでしょうか?
既存車両のYOKOHAMA NAVYBLUE化
2015年より開始されたYOKOHAMA NAVYBLUEのプロジェクト。
新造車両投入後も残存する、25編成240両に施工が予定されています。
2023年4月現在、以下の編成に施工されています。
9000系…6編成
- 9702×10
- 9703×10
- 9704×10
- 9705×10
- 9706×10
- 9707×10
8000系…1編成
- 8709×10
10000系…2編成
- 10701×10
- 10704×8
の計9編成88両にのみ行われています。
既存車両のYOKOHAMA NAVYBLUE化では、灯具移設と行き先表示機の交換が必ず行われ、
10000系に関しては、制御機器やコンプレッサーの機器更新も行われています。
一方、塗装は従来の新ciカラーのままで、灯具移設と行き先表示機のみ交換(10000系は、それに加え制御機器等更新)が行われた編成が、
10000系では2編成、8000系では3編成存在し、現在1編成が更新入場中です。
なぜ、このような編成が登場したのでしょうか?
YOKOHAMA NAVYBLUE化が行われなかった理由
YOKOHAMA NAVYBLUE化が行われなかった理由ですが、コロナ禍による減収によるものが原因だと考えられます。
2020年4月~6月期では、2割程度も減収。
大幅に収入が減った中で、東急との直通運転に備え、20000系・21000系を142両を投入しなければいけません。
この計画に関しては、必要最低限の本数分の導入は、絶対に遅らせることができません。
そのため、2020年以降に新造車両導入やホームドア設置に予算を割くために、計画変更が行われ、
既存車両のYOKOHANA NAVYBLUEへのリニューアルに関して、事実上の一時中断が起きたものと考えられるでしょう。
また、かしわ台車両センターで、東急直通関連の準備にも、多少リソースが割かれた可能性もなくはないでしょう。
灯具移設や行き先表示機の交換が行われた理由
なぜ割ける予算が少ない中、灯具移設や行き先表示機の交換、10000系に関しては、床下機器の更新が行われたのでしょうか?
結論から申し上げますと、使用部品の共通化が目的だと思われます。
8000系の新灯具と行き先表示機は、9000R系に使用されているものと同じものです。
これまで使用してきた部品は、長年使用してきており寿命が近づいてきている事から、
YNB化が行われる際に、灯具移設と行き先表示機の交換が行われることもあり、
少ない予算を割いてでも、なるべく早く9000系と部品を共通化して、長いスパンで見た際のコスト削減を実行しているものと見られます。
10000系は、2023年現在、唯一ハロゲンランプを採用している形式。
前照灯をLEDライトに交換し、部品の共通化を図る事、行き先表示機も12000系とほぼ同一のものに交換することで、8000系と同様に、長いスパンで見た際のコスト削減を実行しているものと考えられます。
10000系のベースとなった、JR東日本E231系では、心臓部のVVVFインバーター制御装置の交換、コンプレッサーの交換と言った機器更新が行われています。
10000系も同様に、制御機器の交換時期が近づいている事から、これらの更新工事も行わなければなりません。
車両を安全に走られせることは、最も優先しなければならない事。
なので、更新工事はなるべく元の長期計画通りに施工されたものと思われます。
おわりに
あともう少しで、8000系のいわゆる原顔が消滅。
それに先立ち、最後に入場する予定の8713×10に対して、前面部分のみ登場当時の赤塗装風のラッピングを施したのは胸圧でした。
10000系の原顔編成も半分の4編成です。記録はお早めに…
今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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掲載日 | コらム |
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