相鉄線沿線、神奈川県大和市在住のkeitrip/須田 恵斗です。
日本最小の大手私鉄、相模鉄道。2022年現在、総延長はわずか38.0km(営業区間)+2.2km(非営業区間)=40.2kmの路線ですが、引上線を除いても4つの留置線を有しています。
今回は、横浜駅から最も近い留置線、西横浜駅の電留線に関するお話です。
この西横浜駅の留置線は、以前から広大な敷地を有していたものの、本格的な電留線として使われるようになったのは、つい最近、2006年のことです。
留置線が設置される以前は、西横浜駅はどういう風になっていたのでしょうか?
西横浜駅の留置線
現在の西横浜駅の留置線は、2002年に都市計画決定された「相模鉄道本線(星川駅~天王町駅)連続立体交差事業」の一環で、2006年に星川駅にあった留置線を移設して出来たものになります。
線路は電化されてない保線機械用の線路が1線と、電車の留置が可能な電留線4線の計5線が設置されています。
また、保線作業の拠点となる保線基地も併設されています。
2022年3月ダイヤ改正現在の日中、平日は42運行、54運行の10両編成が、休日は12運行の8両編成が留置されています。
夜間滞泊は、
- 14運行 → 15運行
- 53運行 → 54運行
- 63運行 → 64運行
- 64運行 → 65運行
の4本の留置が行われています。
保土ヶ谷まで乗り入れていた相鉄の貨物線
西横浜駅の留置線は、かつて保土ヶ谷駅への貨物線の、貨物列車の操車場として機能を果たしていました。
そのため、多くの電気機関車や貨車、荷物電車等が留置、入換を行っていました。
ここで開業当初から遡ります。
1926年 厚木~二俣川間で開通した神中鉄道は少しずつ足を延ばして、1929年 西横浜駅に到達します。
西横浜駅は、程ヶ谷駅(現・保土ヶ谷駅)から東海道本線に沿って伸びる貨物側線上に位置しており、
1929年の開業当時は、貨物側線を流用した、西横浜と保土ヶ谷駅を結ぶ貨物連絡線がありました。
1931年の平沼橋、1933年の横浜延伸時にも、この貨物側線を借用し開業されました。
平沼橋~西横浜間で、下り線の架線柱がJR東海道線・横須賀線と共有されているのは、貨物側線を借用して開業した名残だと思われます。
貨物連絡線が使われていた当時は、相模川からの砂利輸送の貨物列車が走っていましたが、1964年に相模川の砂利採取が禁止され廃止に、
その後、相模大塚からの引込線(航空隊線)を通って、米軍厚木基地へ走る航空燃料輸送列車や、
厚木駅付近にかつて存在した、小野田セメント厚木工場への貨物列車が走っていました。
また、現在はJR相模線と厚木線を通じて行われている、甲種輸送列車の授受もここで行われています。
1979年に、現在の東海道本線、横須賀線の運転系統の原型となるSM分離が行われて、貨物線は現在の横浜羽沢経由にルート変更され、保土ヶ谷への貨物線が廃止。
残る2つの貨物は、茅ヶ崎駅からJR相模線と厚木線経由での運行にルートが変更されました。
保土ヶ谷への貨物線があった名残として、西横浜手前でJR線側に車止めの跡とみられるコンクリート壁が確認できます。
その後ですが、詳しい年表は分かりませんが、貨物線廃止後から改良工事以前までは、現在と同様の保線基地の他、相鉄バス西横浜営業所もあったようです。
写真を確認する限り、現在の4番線から先の区画の一部に、相鉄バスが留置されていたことが確認できます。
その後、冒頭で述べた通り改良工事が行われ、2006年に現在の姿になりました。
まとめ
- 保土ヶ谷駅までの貨物線廃止以前は、操車場としての役割を担っていた
- 貨物線廃止後は、保線基地と相鉄バスの営業所として活用されていた
- 2006年に留置線が星川から移設され、現在の姿に
おわりに
かつて存在した貨物線関連の遺構が、連続立体交差事業によって活用され、わずかですが当時の名残を確認できるのは面白いです。
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