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相鉄8000系のYNB化リニューアルは、方針転換で中止となったのか?

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相鉄では、2016年度より、ブランドデザインアッププロジェクト「YOKOHAMA NAVYBLUE」がスタートし、既存車両のリニューアルと、直通用新型車両の投入が行われています。

2024年5月現在、YNB化が行われたリニューアル車両(既存車両)は、9000系6編成・8000系1編成・10000系3編成となっており、2024年度中に、さらに2編成の10000系をリニューアルする予定です。
※2024年度設備投資計画では、10000系車両3編成がリニューアル予定で、5月時点ですでに対象1編成が出場済み

新型車両の投入が落ち着き、2024年度は、10000系を3編成リニューアル(4月時点では1編成完了済)と、8000系より10000系のリニューアルを優先させている状況から、もしかしたら8000系のYNB化は中止となった可能性があるかもしれません。

著者プロフィール
この記事書いた人
須田 恵斗

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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既存車両のリニューアルの順番と、10000系のリニューアル

前書きの通り、なぜ8000系のYNB化が中止となった可能性があるかもしれないのでしょうか?
それは既存形式のリニューアルの順番と、4月末発表の2024年度の設備投資計画から考えられます。

ここで、相鉄の既存車両のYNB化の順番を見て行きましょう。

年度対象編成
2015年度9703×10
2016年度9705×10
2017年度9702×10・9704×10
2018年度9706×10
2019年度9707×10・8709×10
2020年度10701×10
2021年度
2022年度
2023年度10704×8
2024年度現在10702×10、10703×8(リニューアル施工中)
残り:10000系1編成

表の内容をざっくりまとめると、このような順番となっています。

9000系全6編成→8000系1編成(8709×10)→10000系2編成→2024年度は10000系2編成をリニューアル予定

ポイントとしては

  • 9000系は、時間がかかりながらも、残存対象6編成をまとめてリニューアルした事
  • その後の8000系は、2019年度に1編成だけリニューアルし、4年経った現在も他の編成には波及してない事
  • 8000系のリニューアルを差し置いて、10000系のリニューアルに着手したこと
  • 2024年度設備投資計画にて、10000系を3編成一気にリニューアルすることが発表された事(24年4月時点で1編成完了済)

が挙げられます。

8000系のYNB化リニューアルは中止の可能性があるのか?

これまでの流れや、2024年度設備投資計画より、8000系より10000系のリニューアルを優先している事が明らかになったことから、8000系のYNB化が中止となった可能性は大いにあり得るかもしれません。

残存している8000系計6編成(8708×10~8713×10)の車齢は、27年から31年です。
超ざっくり言うと、車齢は30年近く経過しています。
車齢を考えると、約10年で廃車にする可能性がある事から、リニューアルしても投資効果が薄いと見込まれたのでしょう。

なので、9000系と部品共通化(前照灯移設・行先表示器)などの、必要最低限の投資のみをし、そのまま廃車に持っていく可能性があるかもしれませんね…

なお9000系に関しては、リニューアル時期が早かったこと、ブランドデザインアッププロジェクトの第一弾の車両であったことから、徹底的なリニューアルをしても、宣伝にもつながり、投資効果が高かったと考えられます。
現在のYNB車両の存在感を考えれば、実際、その通りであったと容易く想像ができます。

8000系に関しては、運が悪かったという見方もでき、8709×10のリニューアル完了直後の2020年以降は、コロナ禍により収益が大幅に減収したこと。
財政的に厳しい状況の中、東急直通に備え20000系列132両を、大量導入しなくてはいけなかった事からリニューアル費用の捻出が難しかったと考えられます。
※10000系は床下機器の老朽化で、制御機器等の交換も実行しなければならない事も挙げられます。

もし仮にコロナ禍が無かったとしても、8000系以降のリニューアルは、内装はモケット交換・つり革交換のみ行われている事や、上述の8000系の車齢から考えると、どちらにしろリニューアル投資の効果が薄いとは判断はされていたのでしょうね…

YOKOHAMA NAVYBLUE化は中止となったのか?

相鉄は頻繁に塗装が変わる事から、これまでの相鉄と同様、塗装変更は中途半端に終了。
ブランドデザインアッププロジェクト「YOKOHAMA NAVYBLUE」は、そのまま中止と考える方はいるかもしれません。

ですが、8000系のYNB化リニューアルが中止となっていたとしても、「YOKOHAMA NAVYBLUE」そのものは中止となったとは考えられません。

短い期間、狭い範囲で見た場合(ミクロ視点)では、
既存車両のリニューアル中止という事で、YNB化中止と捉えることができます。

長い期間、広い範囲で見た場合(マクロ視点)では、
リニューアルされなかった既存車両の置き換えは、今後も「YOKOHAMA NAVYBLUE」の新型車両の投入で置き換えられ、結果的に相鉄が保有する全営業車両の「YOKOHAMA NAVYBLUE」は完了すると、捉えることができます。

10000系・11000系の全編成のリニューアルが行われることが前提の話ですが、

8000系のYNB化が中止になっていたとしても、
将来的に8000系を置き換えることになる新型車両も「YOKOHAMA NAVYBLUE」で登場する可能性が非常に高いことから、
8000系置換の新車導入後、結果的に全営業車両の「YOKOHAMA NAVYBLUE」統一化が完了する。

という事ができます。

ここで、相鉄所属全編成がYNBになってない状況の中、相鉄が新たな塗装の車両導入を決定した時が、「YOKOHAMA NAVYBLUE」中止という事ができるでしょう。

おわりに YNB化再開の可能性はあり?

2015年からのプロジェクトスタートから、2024年の設備投資計画までの流れを見ると、8000系のYNB化中止の可能性は高いと書きましたが…
メディア取材含めた公式からの見解は発表されていないので、来年度や再来年度あたりに一気に再開させる可能性もまだあるかと思います。

8000系YNB化中止か?否かの答えが出るのは、現在所属する8000系の経年廃車が始まってからと言えそうです。

著者プロフィール
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須田 恵斗

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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