【珍光景】羽沢横浜国大が持つ JRとの共同使用駅独特の雰囲気とは

2019年11月30日に相鉄・JR直通線の一部として開業した、相鉄新横浜線の羽沢横浜国大駅。
昨年2023年3月18日には、相鉄新横浜線全通に伴う東急線方面との直通運転開始により、開業時よりもやってくる車両、列車本数共に多くなり、とても賑やかになりました。

相鉄新横浜線の途中駅でありながら、相鉄・JR直通線との境界駅となる当駅は、新横浜駅と同様、他の相鉄の駅とは異なる雰囲気を感じ取れるのが特徴なので、その点を紹介していきます。

まるで架空鉄道のような羽沢横浜国大駅新横浜方の景色

羽沢横浜国大駅は前述の通り、相鉄新横浜線の途中駅であると同時に、相鉄とJR東日本の境界となる駅。

新横浜・武蔵小杉方面へ発車してすぐに、新横浜方面とJR東海道貨物線へ向かうアプローチ線の2方向へ分かれます。
そのため、駅の出発信号機は、当然2方向分あるわけですが、
新横浜方面の物は相鉄の様式で、信号機本体に「出発」と書かれ、JR線方面はJR東日本の様式、縦書き看板で「2JR出」と書かれています。
この2種類の様式が混ざるのが、独特な点です。

2019年11月に開業したとても新しい駅のため、コンクリートも白く、新横浜方面はトンネルで一気に地下深くへ潜っていくこと。
JR線から相鉄へ来る線路は、突然現れるかのように単線のトンネルで合流してくることや、逆に相鉄からJR線へは、発車直後にいきなり分かれ羽沢トンネルの上を走る独特な配線・構造であることも、羽沢横浜国大駅の魅力の一つです。

この文章だと伝わりづらいので、写真を見たり、実際に現地に行って感じ取ってみてください。

個人的に面白いのは、相鉄からJR線方面へ進む列車に乗った時です。
新横浜への新しいトンネルと分岐して45km/hで勾配を上り、白いコンクリートに囲まれた新しい線路から、JR線に合流した途端、一瞬で景色が変わり、いきなり横浜羽沢駅の貨物ヤードに放り出されたかのような感覚が面白いです。

JRの運賃表があるのに、JR仕様の券売機が無い不思議な切符売り場

羽沢横浜国大駅は相鉄管轄ですが、JR線もやってくるので、当然JR線の乗車券が発売されます。
自動券売機にて乗車券を発売するにあたり、JR線の運賃表が券売機頭上に提示されているわけですが、券売機は、相鉄仕様の物しかありません。

羽沢横浜国大駅と同じように、一社が管轄する共同使用駅でも綾瀬駅(東京メトロ管轄、JR東日本乗入)や目黒駅(東急電鉄管轄、東京メトロ乗入、都営地下鉄乗入)では、それぞれの事業者の券売機があり、行先の事業者により券売機を使い分ける必要があります。

羽沢横浜国大駅では、きっぷ購入時に、相鉄線かJR線かを選択し、そこからJR線の乗車券を購入します。
相鉄仕様の券売機のため、私鉄地紋のJR線のきっぷという少し面白いJR乗車券を発券できます。

きっぷ収集が趣味の方は、興味があればぜひ購入してみてください。

他のJR駅では見られない　JRの発車メロディ×相鉄の放送の組み合わせ

列車を発車させるとき、様々な形で乗客に向けて発車案内を行います。
首都圏のJR東日本では、車掌がスイッチを扱い、駅やホームごとに異なる発車メロディを流します。

発車メロディが流れた後は、もちろん「ドアが閉まります」などの放送が各社の使用で流れるわけですが、
この羽沢横浜国大駅では、JR東日本の発車メロディ「曲名：キッズステーション」が流れた後、相鉄仕様の音声(声優：関根正明)で「2番線、ドアが閉まります。ご注意ください。次はJR武蔵小杉に停まります。」とアナウンスが流れます。

つまり「JR東日本の発車メロディ」と「相鉄の放送」の組み合わせが見られるのです。
駅構内放送が、JRと私鉄の折半仕様となっているのは、地味に珍しいものです。

JR東日本の他の共同使用駅である中野駅、綾瀬駅、西船橋駅では、東京メトロからのJR線直通電車でも、全てメトロ仕様で扱われています。

余談：タワーマンション「リビオタワー羽沢横浜国大」開業で大変化

横浜市神奈川区羽沢町では、2019年11月30日に開業した羽沢横浜国大駅を中心にした再開発プロジェクト「HAZAWA VALLEY(ハザワバレー)」がスタートしました。
事業を手掛けるのは日鉄興和不動産と三菱地所レジデンスです。

現在の羽沢横浜国大駅周辺は、住宅地の他は貨物駅と環状２号線くらいしかなく、少し歩けば田畑が広がり、コンビニすら見当たらない場所でした。
「HAZAWA VALLEY」の開始により、2021年5月には「クリエイトＳ・Ｄ 羽沢横浜国大駅前店」が開店し、羽沢横浜国大駅周辺で買い物ができるようになりました。

そして、2023年11月に「HAZAWA VALLEY」の目玉となる「リビオタワー羽沢横浜国大」が竣工。
この「リビオタワー羽沢横浜国大」は、1階から4階が商業区画等、5階から23階が住宅区画で構成される総戸数357戸の大規模タワーレジデンスです。
2023年8月までに契約した方の入居は2024年2月から開始済み、それ以降に契約した方の入居は5月より開始される予定となっています。

「リビオタワー羽沢横浜国大」の商業区画は、開業日とテナント共にまだ公表はされていません。
タワー内の商業区画には、食品スーパーが出店する予定です。

「HAZAWA VALLEY」の開発が進展し、プロムナードが完成したことによって、2024年2月1日より、駅西側のシャッターが全て開放されました。