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直通開始後の相鉄、横浜~西谷間が「支線化」したとは言えない理由とは

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2023年3月18日、東急線方面との直通運転を開始し、様々な面で注目を集めた相鉄線。
先に完成した、相鉄・JR直通線(2019年11月30日開業)と合わせて、悲願の東京乗り入れを達成しています。

その一方で、長い間、従来からのターミナルであった横浜駅は、直通線が西谷より分岐して、横浜駅を通らないルートという事もあり、『支線状態になった=支線化した』というイメージを持たれている方もいらっしゃる事でしょう。

支線化したというイメージを持たれがちな、相鉄線横浜口(横浜~西谷間)ですが、客観的に見ると、支線化したと言うのは厳しいです。
ここで、相鉄線横浜口は支線化したとは言えない理由を、最寄りが大和駅の相鉄線民がお伝えします。

著者プロフィール
この記事書いた人
須田 恵斗

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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全時間帯において優等列車が発着

相鉄線横浜口が支線化したとは言えない理由に、全時間帯に於いて、優等列車が多数発着する事が挙げられます。

この横浜駅を発車する列車が走る5時台~0時台のうち、5時台を除く、ほぼ全ての時間帯に優等種別である快速・特急が発車しています。

朝5時40分頃から23時になるまでの間、2番線・3番線からは、各停は一切発車せず、優等種別専用ホームとなります。

そして到着する電車は、5時台〜0時台の全時間において、優等種別が到着しています。

また横浜駅は、相鉄含めた6事業者が乗り入れる、日本一乗り入れ事業者が多い駅です。
直通運転開始以後も、京急線や東海道線などで、東京方面へ向かう需要が多いのはもちろん、根岸線やブルーラインに乗り換えて、桜木町・関内方面へ移動するなどの横浜駅乗換の需要も多数あります。

他にも、駅が立地するジョイナス横浜などのショッピングビル、デパート、百貨店等が横浜駅周辺に多数存在し、依然として休日の横浜へのお出かけ需要が残っている状態です。

相鉄沿線民が、横浜志向のままの理由の一つに、横浜駅周辺で買い物などのほとんどの用事を済ませられるからと言うのも挙げられます。

支線化したと一部で騒がれていた理由は?

相鉄線横浜口は、全ての時間に於いて、優等列車が多数発着するのに、なぜ支線化したと騒がれているのでしょうか?

その理由の一つに、横浜口各駅停車の一部が、直通線と枝分かれする区間(横浜~西谷間)のみを走るようになったというのが挙げられます。

2023年3月18日改正まで、横浜駅を発着する各駅停車は、一部を除き、海老名または湘南台発着となっており、横浜から全区間を走破する形となっていました。
東急との直通開始で、一部のスジを直通電車に譲るため、わずか6.9km、所要時間13分で終わる西谷発着となったのです。

この短い枝分かれ区間で走る系統が登場し、

  • 分離された=見放された
  • 乗換の発生=不便になった

という印象が生まれ、横浜口が支線化したという風に一部で騒がれ、時にYouTubeなどでネタにされたのではないかと思われます。

支線化の定義とは?他社線に当てはめて行くと…

そもそも大手私鉄の主要路線で、支線化したと言われている路線はどこなのでしょうか?

よく言われるのが、東武伊勢崎線浅草口です。
相鉄線横浜口が支線化したという印象を持った方の多くは、おそらく東武伊勢崎線浅草口と重なった事でしょう。

東武伊勢崎線浅草駅に発着する列車は、

  • 有料特急
  • 区間急行
  • 区間準急
  • 普通

の4種です。

浅草駅には、東武の顔となる有料特急が全て発着し、駅の雰囲気からもターミナルの風格を感じますが、浅草駅のアクセスの悪さや構造上の問題から、東武特急を東京から利用される方の大半は、5路線が集まる北千住駅からの利用です。
そのため、基本的に浅草駅から乗車する利用者は、比較的少ないです。

無料の優等種別として、区間急行・区間準急が挙げられますが、この優等種別2種は、都心区間である北千住までは、各駅に停車する種別です。
また、運行時間帯が限られており、朝と夕方以降のみの運転となります。

各駅に停車する普通ですが、浅草口を発着する普通は、全て北千住発着。言い換えると、北千住で完全に分断されています。

なお、メインの優等種別である急行・準急は、全て押上からやってくる半蔵門線からの直通電車です。

  • 優等種別は都心区間では各停
  • 普通は途中で系統が完全分断

と言う点から、支線化したと言えるでしょう。

一方の相鉄線横浜口はと言うと

  • 優等種別が多数発着
  • 系統分断されない各停=枝分かれ前から直通する各停も多数発着

と言う点から、東武伊勢崎線浅草口とは似たような状況とは言えないでしょう。

現在の相鉄線横浜口は、西武池袋線・東武東上線池袋口と似たような状況です。
2社の両路線とも、優等種別が多数発着、枝分かれ区間のみを走る各停、枝分かれ前から直通する長距離各停が走っています。

路線環境の違いから単純比較はできませんが、相鉄線横浜口は、西武池袋線池袋口・東武東上線池袋口と状況が近いと言えます。

とはいえ不便になった印象

相鉄線横浜口は、支線化したと言えませんが、各停の一部が西谷止まりになった他

  • 横浜駅の発着本数の減少
  • 横浜~二俣川ノンストップ、急行の休止
  • 快速化による所要時間の増加
  • 西谷や二俣川での接続内容の分かりにくさ

などから、特に二俣川以西を利用する者にとって、最適列車、最適な乗継が分からなくなり、不便を被っている状況には変わりはありません。

確かに相鉄の横浜駅は、依然としてメインのターミナル駅である事には変わりありませんが、利用方法に関しては大きく変わりました。
今後、相鉄の横浜口は、どう変わっていくのか?今後の課題として上がるであろう横浜駅西口の建て替え、再開発と合わせて、長い目で注目です。

おわりに

「相鉄本線横浜口が支線化」等と煽るYouTubeのタイトルやネット記事を見て、言いたいことはわからなくはないけど、煽りすぎだなと思って、心のどこかでモヤモヤとしていました…

そんなことよりも、横浜~二俣川ノンストップ運転、伝統の赤き急行復活してほしい…

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この記事書いた人
須田 恵斗

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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