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相鉄「特急」運行開始から10周年!現在に至るまでを振り返る

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令和に入り、JR東日本と東急電鉄の2社線と直通し、悲願の東京都心乗り入れを果たした相鉄線。
2019年11月30日と、2023年3月18日、直通運転によって、2度に渡って革命がもたらされましたが、10年前の2014年4月27日にも、相鉄線利用者にとって大きな革命がもたらされています。

それが2024年現在、いずみ野線の「通勤特急」と共に、二俣川以西でも通過運転を行う最優等種別「特急」の運行開始です。

今回は、相鉄線民にとって革命的変化をもたらした「特急」をいい面、悪い面の両方を見ながら、運行開始から現在に至るまでの10年間を振り返っていきます。

著者プロフィール
この記事書いた人

神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

2021年7月~9月、公共交通機関で日本一周をし、60万円以上をドブに捨てる

2020年6月より鉄道旅行系雑記ブログ「keitrip」を運営し、2024年に相鉄に関する記事を当サイト「相模レールサイト」に移管。

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急行と快速で、行先分離・種別分離が徹底されていた相鉄

相鉄沿線外の方は、ご存じで無い方も多いかも知れませんが、2014年4月26日以前の相鉄は、急行・快速・各停の3種別体制で、非常にシンプルでした。

現在と異なり、二俣川以西は、全列車が各駅に停車するダイヤであり、遠近分離を徹底し、シンプルかつ乗換無しで各駅から横浜へアクセスすることが出来ていました。

運行系統としては、

  • 急行 ー 本線…………海老名発着
  • 快速 ー いずみ野線…湘南台発着
  • 各停 ー 本線…………大和発着
  • 各停 ー いずみ野線…湘南台発着

と4系統が運転。
※早朝深夜帯には、かしわ台、海老名、いずみ野発着の各停。ラッシュ時には大和発着の急行、二俣川発着の各停も運行。

下りの快速湘南台行きは、二俣川で大和止めの各停に接続。
上りの湘南台発の快速は、二俣川で大和発からの各停から乗換ができました。

2014年4月27日 新最速達種別「特急」が誕生 不評だった微妙なダイヤ

2014年4月27日(日)、二俣川以西を通過運転する初の種別「特急」が運行開始。

それまで長い間、急行・快速が各駅に停車していた区間でも、通過運転が行われるようになり

  • 横浜~海老名 急行:32分 特急:26分 所要時間6分短縮 毎時2本運行
  • 横浜~湘南台 快速:30分 特急:24分 所要時間6分短縮 毎時2本運行

と、速達性がかなり上がりました。
特急の運行時間帯は10時~16時の日中時間帯のみの運行です。

一方、特急運行時間帯のダイヤはかなり歪な物となっていました。
当時の横浜駅の時刻をご覧いただいた後、詳しく解説します。

時刻種別・行き先接続
00分特急海老名二俣川で51分発の各停湘南台行きに接続
02分快速海老名二俣川で51分発の各停湘南台行きに接続
03分各停海老名二俣川で11分発の特急湘南台行き接続待ち
11分特急湘南台二俣川で03分発の各停海老名行きに接続
二俣川で始発の各停湘南台行きに接続
12分各停湘南台二俣川で20分発快速海老名行き接続待ち
20分快速海老名二俣川で12分発各停湘南台行きに接続
21分各停湘南台二俣川で30分発特急海老名行き接続待ち
    32分発快速海老名行き接続待ち

この改正より、これまでいずみ野線方面にしか設定されていなかった「快速」が、本線海老名発着にも使われ、特急運行時間帯の本線の優等種別となります。
その代わり、特急運行時間帯は急行が運転されなくなりました。

三ツ境などの特急の停まらない駅からの場合、停車駅が2駅(鶴ヶ峰・星川)増えたため、所要時間が増加。
各駅停車を利用する場合、いずみ野線湘南台発着の特急を利用する形となり、海老名行きを利用するスタイルが定着していた相鉄本線利用者には、分かりづらいものでした。

また当時のダイヤでは、いずみ野線の各駅停車は、特急湘南台行きの後続が二俣川始発。
特急横浜行きの先行は、二俣川行きとなっており、いずみ野線利用者もダイヤが分かりづらい状態となっていました。

2015年5月31日 朝の時間帯に特急設定 日中の急行復活

2015年5月31日(日)に行われたダイヤ改正では、平日朝に上り特急が新たに4本設定されました。
この改正より、改良工事が行われた瀬谷駅での通過待ちが、朝ラッシュ帯の特急運行時のみ設定され、瀬谷駅4番線の待避線としての役割が徐々にスタートしていきます。

日中の特急運行時間帯が、分かりづらく不評であったため、30分サイクルで特急が運行される以前のダイヤをベースに組みなおされ、以前とあまり変わらぬスタイルで相鉄線を利用できるようなりました。

当時の横浜駅の時刻はこちら…

時刻種別・行き先接続
00分特急海老名二俣川で51分発の各停海老名行きに接続
02分快速湘南台接続無し
03分各停湘南台二俣川で11分発の急行海老名行き接続待ち
11分急行海老名二俣川で03分発の各停湘南台行きに接続
12分各停湘南台二俣川で20分発快速海老名行き接続待ち
20分快速海老名二俣川で12分発各停湘南台行きに接続
21分各停海老名二俣川で30分発特急海老名行き接続待ち
時刻種別・行き先接続
30分特急海老名二俣川で21分発の各停海老名行きに接続
32分快速湘南台接続無し
33分各停湘南台二俣川で40分発の急行海老名行き接続待ち
いずみ野で45分発の特急湘南台行き接続待ち
40分急行海老名二俣川で33分発の各停湘南台行きに接続
42分各停湘南台星川で45分発特急湘南台行き通過待ち
二俣川で51分発急行海老名行き接続待ち
45分特急湘南台星川で42分発各停湘南台行きを通過追越
いずみ野で33分発各停湘南台行きに接続
51分急行海老名二俣川で42分発各停湘南台行きに接続
52分各停海老名二俣川で00分発特急海老名行き接続待ち

毎時30分間隔で特急海老名行きが走り、2分後続が快速湘南台行き、二俣川で各停海老名行きに接続するダイヤとなりました。
それ以外の本線優等(海老名発着)は、急行毎時3本、快速1本体制で、海老名発着の優等列車は、概ね10分間隔で走るようになり、分かりやすくなっています。

なお毎時1本設定されていた、本線優等の快速は、2017年改正で急行に種別変更され、よりダイヤを覚えやすくなりました。

一方の特急湘南台行きはダイヤが縮小され、1時間間隔での運行、横浜駅を毎時45分発となり、星川で各停を通過追越、いずみ野で各停に接続するダイヤとなります。

その他、2017年のダイヤ改正より、朝ラッシュ帯の上り特急が増発。
折り返し時間の確保と、横浜駅・海老名駅ホームでの乗客滞留防止のため、上り方面のダイヤが10分後ろ倒しとなりました。

2019年11月30日(土) 相鉄・JR直通線の運行開始

特急の運行開始から5年半以上が経過した、2019年11月30日(土)、相鉄・JR直通線が開業。
長年の悲願であった東京乗り入れが46往復ながら開始されました。
この改正より、直通線と横浜方面の接続が行えるよう、快速と特急が西谷に停車。通勤急行と通勤特急も新設されました。

一方、日中に1時間間隔で運行されていた、いずみ野特急が廃止となりました。

2019年改正当時、相鉄・JR直通線の列車は、各停と特急の交互で運転。相鉄本線横浜~海老名間の特急は、毎時3本運転されていました。
30分間隔で運転する特急(横浜58分・28分発) + 1時間間隔で運転する特急(横浜38分発)のダイヤで、38分発の特急は、西谷でJR線からの各停に接続。
38分発の対となる、08分発の優等列車は快速で、西谷でJR線からの特急に接続していました。

これにより、横浜~海老名間の特急ベースでの移動は、毎時4本となっていました。

また夕方時間帯に、JR直通系統のみで、特急が運行を開始。夕ラッシュ帯も大和・海老名への速達移動ができるようになりました。
夕方時間帯、西谷でJR直通からの特急に接続する快速は、東急と直通した現在と同じく、海老名行き・湘南台行き、両方のケースが存在し、使いこなすのに慣れが必要です。

その後、2021年3月13日(土)のダイヤ改正より、日中時間帯のJR直通線は、利用実態に合わせ、毎時2本とも各停に統一。
特急列車は、毎時4本から毎時2本に整理され、西谷で前述のJR直通電車と接続を取るようになりました。
日中時間帯それぞれ毎時2本走っていた、いずみ野線快速と本線急行が運行取り止め。
各停と特急が来ない運行間隔のところは、本線快速となり、速達性が下がった一方、比較的単純なダイヤとなりました。

2023年3月18日(土) 東急との直通開始で、いずみ野線特急が復活

2023年3月18日(土)のダイヤ改正にて、相鉄新横浜線全通。
同日開業した東急新横浜線を介し、いわゆる相鉄・東急直通線として、東急東横線・東急目黒線方面の2方向との直通運転が開始されました。

相鉄の特急も、JR線直通電車と同様、東急線直通電車の種別としても運用され、朝方・夕方・夜間の東急線直通電車は、一部が特急となります。

列車の運行上の都合から、東横線との直通がメインのいずみ野線に、相鉄・東急直通線の電車に限り、特急が復活しました。
2024年3月16日改正(最新版)現在

  • 平日新横浜方面…夕方7本
  • 平日湘南台行き…朝方1本(うち1本は目黒線から)、夕方3本
  • 休日新横浜方面…夕方1本

運転がされています。

この改正により、2019年11月30日(土)より運行が開始された「通勤特急」も、横浜行きが無くなり、全て東急直通電車のみの種別となりました。
平日新横浜方面…朝方5本設定され、1本は目黒線高島平行き、4本は東横線となります。

その他にも、相鉄・東急直通線開業によって、土日ダイヤにて、相鉄線内特急・海老名発小川町行きができたことも、相鉄の特急史としてはインパクトに残るでしょう。

おわりに

もう特急運行開始から10年が経つのか…
10年って、こうやって振り返ってみると、意外とあっという間だなと感じます。

特急の派生種別「通勤特急」も含め、特急が今後どう変化するのか見守っていきたいところです。

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神奈川県大和市在住、最寄りは大和駅の24歳。
20年以上相鉄を利用し、鉄道ファン人生を相鉄と共に歩んできた人。

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