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【改善不可】相鉄が沿線外の利用客を集客する際の致命的な弱点とは?

運用・ダイヤ
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JR線と東急線双方との直通運転開始により、東京都心から1本で行けるようになった相鉄線。

私のような地元利用者からすれば東京方面には、より行きやすくなり、頻繁に利用するようになった一方、
その逆の東京都心部などの地元でない方は、相鉄線という名前はよく聞くようになったし、行きやすくはなったけど、結局相鉄線に行く用事は全くないという方がほとんどだと思います。

2013年の東横線と副都心線の直通運転「5直」では、
Fライナーの設定(2016年から)や、S-Trainの運行開始(2017年から)などで、お休みの日に東急線から東武線や西武線へのお出かけ、東武線や西武線から東急線へのお出かけするという選択肢ができ、結果、双方の流動が発生しています。

相鉄の都心乗り入れでは、このような事がほとんど起こっておらず、相鉄沿線から東京都心のほぼ一方的な流動になっているのです。
つまり、相鉄は沿線外からのお休みの日のお出かけ先候補としてほとんど上がってこない状況です。

それはなぜなのでしょうか?

関東大手私鉄の観光地(東京メトロを除く)

普段使わない電車を使う機会があるとすれば、当たり前のことですが、その鉄道沿線にある観光地にお出かけ・旅行をすることがほとんどでしょう。

多くの鉄道会社も、沿線にある観光地・観光施設等をアピールして、地元以外のいろんな方々に自社の鉄道を利用してもらおうと広告を打っています。

そこで、東京メトロを除く、関東大手私鉄8社の観光地を列挙してみました。
実際には、もう少しありますが、パッとだれでも思いつくものを挙げています。

  • 東武 …日光・鬼怒川温泉・川越
  • 西武 …秩父・川越
  • 東急 …横浜みなとみらい・元町・中華街・自由が丘
  • 京王 …高尾山・多摩動物公園・京王レールランド・サンリオピューロランド
  • 小田急…箱根・江ノ島・ロマンスカーミュージアム
  • 京成 …成田山新勝寺・成田空港
  • 京急 …三崎口・葉山・川崎大師・羽田空港
  • 相鉄 …無し?

上記に挙げた観光地の中で、特に代表的なのが、日光・鬼怒川温泉と箱根でしょう。

前者は、ライバルであったJR線にフラッグシップ特急「スペーシア」を乗り入れさせたり、今年7月には、新型豪華特急「スペーシアX」をデビューさせたり、SL列車を走らせたりなど、ものすごい力を入れているのが一目瞭然です。
後者は、その地の大部分を自社グループで力を注いで開発をして、圧倒的なブランド力を持つ特急「ロマンスカー」を走らせています。また、ロマンスカーを日本初の地下鉄の有料列車として、地下鉄千代田線に乗り入れさせ、東京都心部から一本で箱根まで行けるようにもしています。
なお、ロマンスカーは小田急の代名詞的存在にもなっています。

他にも、上記に挙げた観光地のほとんどは、観光地にまつわる名前を付けた列車を走らせたり、
「みさきまぐろきっぷ」のようなお得なきっぷを発売したり、「サンリオキャラクターフルラッピングトレイン」に代表されるラッピング電車を走らせ、集客をしています。

相鉄だけが持っていない「観光地」

先ほどの、各鉄道会社の観光地を列挙した表をご覧いただくと、相鉄のみ観光地が挙げられていない事がわかります。

東京に乗り入れるまで、ほとんど地元の神奈川県民にしか知られてない存在だったのですから当然。
もし著名な観光地があれば、相鉄は各地にPRをし、恐らく現在よりも知名度が高かったはずです。
相鉄線沿線に住んで、よく利用している私ですら、観光地が思いつかないのですから、本当に観光地が無いのがよく分かると思います。

相鉄線沿線には何もないかと言うと、決してそういうことは無く、地元利用者向けの魅力的な施設はたくさんあります。

2018年4月に誕生したジョイナステラス二俣川。今年10月6日には、駅北側バスターミナル真上にあった「相鉄ライフ二俣川」を改装した「ジョイナステラス3」もリニューアルオープン予定で、注目が集まります。

ジョイナステラス二俣川が立地する二俣川駅は、いずみ野線が合流し、新横浜線が分岐する西谷駅の2駅手前のため、相鉄線のほとんどの列車が集約されます。
さらに、横浜市北部各方面への路線バスや羽田空港行きの高速バスが発着する、旭区の重要な拠点となっており、横浜市東部の重要なハブとなっています。

このように各方面から人が集まる事から、従来からの横浜方面はもちろん、
横浜を経由しない直通線の利用者にも、この二俣川で一旦寄り道をしてもらうために、このジョイナステラス二俣川は作られました。

ジョイナステラス二俣川は、魅力的なテナントがたくさん入ったショッピングモールですが、あくまで、
JOINUS YOKOHAMAのサブ的な立ち回りで、地元利用者向けの施設となっています。

隣の鶴ヶ峰と二つ隣の三ツ境よりバスでアクセスする横浜動物園ズーラシアがあります。
このズーラシアは、日本で3番目の広さを持つことで知られている動物園ですが、
旭山動物園や上野動物園のように全国から人を集める一大観光地と言うよりかは、横浜や川崎市内、神奈川県内などから人を集めるような施設です。

直通線を通じて、東京からのお客さんを呼ぶのには、訴求力が薄い印象を持ちます。

相鉄のターミナル、横浜駅には自社が保有するショッピングセンター「ジョイナス横浜」があります。
他にも、横浜駅周辺には「高島屋」「そごう横浜」「NEWoMan横浜」「ルミネ横浜」「横浜ポルタ」「マルイシティ横浜」
駅から少し離れたところには、若者が集まる「横浜ビブレ」
今年秋「ダイエー横浜西口店」跡地にて、新たに開業する「イオンモール横浜西口」など、様々なショッピング施設があります。

どれも魅力的ですが、相鉄からすれば、自社沿線の方にお休みの日に相鉄を利用してもらうためのものです。
東京都心から横浜までは、JR各線、東横線、京急線で行けるため、相鉄を利用してもらうきっかけにはなりません。

新横浜も同様、周辺にはラーメン博物館や日産スタジアムがありますが、こちらは相鉄と東急の境界駅。
新横浜線開業で、観光する機会ができても、相鉄線側を利用してもらえるきっかけには、ほとんどなり得ないでしょう。

東海道新幹線を新横浜で降りて、ラーメン博物館に寄ってから、東急線で東京方面へ出発と言う方は一定数いそうな気がしますが、その逆方向の相鉄線で神奈川方面というのは、あまり期待できません。

相鉄本線の終点、海老名には「ロマンスカーミュージアム」「ビナウォーク」「ららぽーと海老名」などがあり、各地から集客をしています。

相鉄からすると直通線開業で、場所によっては東京都心から海老名まで1本、または複雑な乗換を介さずに行けるようになり、自社線を使うきっかけが増えたかと思います。

とはいえ、東京方面から海老名の場合は、小田急が本数が多くわかりやすいです。
また2016年からは、小田急ロマンスカーが停車するようになった事、自社の代名詞とも言えるロマンスカーを展示・紹介する「ロマンスカーミュージアム」もある事から、ますます小田急が選択肢に入るかと思います。

海老名は沿線外からの集客には有力ですが、小田急も積極的に開発している事もあり、相鉄を代表する観光地という印象にはなりません。

ただ、海老名は小田急と相鉄がそれぞれ開発に力を注いでいる事から、今後、両社で開発を進めた海老名をどう集客に使うか試される時期がいずれ来ることでしょう。

このように、相鉄は観光地がほとんどないため、沿線外からの集客力が弱く、必然的に沿線利用者からの集客をせざるを得ない状況というのがわかるでしょう。

相鉄の一大プロジェクトである、直通線プロジェクトは、沿線外(定期外利用者)からの集客が目的でなく、
相鉄沿線で不動産開発をし、多くの方々に住んでもらい、選ばれる沿線を目指すため、要するに沿線人口を増やすために行われている側面が強いです。
相鉄直通線は、東京で仕事の際に、相鉄線沿線での居住を選択肢に入れてもらうのが目的の一つとなります。

沿線外からの集客力が弱いのは、逆に言うと、約200万人を持つ沿線人口の基盤の上で成り立っているため、災害や情勢に左右されにくく、安定しているという強みとも言えます。
逆に沿線人口が減ると、売り上げも比例して減るため、直通線を通して、選ばれる沿線を目指しているのです。

おわりに

今まで相鉄がパッとしなかった理由の一つに、この観光地の無さが挙げられるのではと感じました。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。
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