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【衝撃のサプライズ】相鉄線ミステリートレインReに参加 1号の様子を紹介

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神奈川県大和市在住、現役プロ相鉄線ナー(自称)の須田 恵斗です。

横浜を拠点に海老名・湘南台を結ぶ、神奈川の大手ローカル私鉄「相鉄線」
2019年11月には、JRとの直通運転を開始。今年3月には、東海道新幹線が接続する新横浜駅への新線開業と、新横浜駅での接続で東急東横線・目黒線との直通運転を開始し、2023年全国的に注目を集める鉄道と言っても過言ではありません。

今回は、そんな大注目の大手私鉄「相鉄」で行われた、太っ腹すぎるイベント列車「相鉄線ミステリートレインRe」の1号の抽選に当たり、参加してきたので、その様子を紹介いたします。

相鉄線ミステリートレインReとは

相鉄線ミステリートレインReとは、昨年2022年5月8日に開催された「相鉄線ミステリートレイン」が、大変好評だったことから、第2弾として開催されたものです。
昨年同様3便運行されました。

ミステリートレインなだけあって、使用車両は当日乗車するまで不明、行き先も不明で、
車両基地・留置線などに入線するなど、普段は乗車しながら行くことが出来ない走行経路を通っていきます。

昨年は、10000系電車がデビュー20周年という事で、そのお祝いイベントを兼ねて、10000系車両3車種を用いて運行されました。

最大の特徴は安すぎる事

近年の乗車会や撮影会などと言った鉄道イベントでは、コストの増加や保安上の観点などから、
旅行会社を経由するしないに関わらず、5,000円から30,000円の料金をお支払して参加するものが一般的になりつつありますが、

相鉄線ミステリートレインでは、LINEクーポンを用いて抽選を行い、
当選したら、当日は880円で購入できる「相鉄・鉄道全線 1日乗車券(磁気券タイプ)」のみで参加できます。

イベント参加当日の相鉄線内は、1日乗車券を使える事、何よりもそれ以外の別途料金を取られない事、イベント内でのサプライズを考えると、令和の大手私鉄とは思えない太っ腹です。

今年の相鉄線ミステリートレインは、8000系8713×10をまさかの復刻

相鉄線ミステリートレインReでは、3便全て相鉄8000系8713×10を、ラッピングで前面部分のみ昔の赤い旧塗装に復刻して運行しました。

横浜方先頭車 :クハ8713では、ロゴの貼り付けが行われず。
海老名方先頭車:クハ8513では、新ciのロゴが取り付けられ、細かい違いですが2種類の顔が見られました。

私が鉄道にのめり込み始めた頃の「相模鉄道」が、まさかのここで復活したので、超感動しています。

現在、相鉄8000系は、部品の枯渇や保守費用削減のため、灯具移設や行先表示機の交換を急ピッチで進めており、
近いうちにこの登場当時のスタイルが見納めになる事から、8000系をリバイバルの上でミステリートレインReに用いたようです。

側面もラッピングを施したかったようなのですが、車体に傷がつくので断念したようです。

ミステリートレイン1号乗車記

かしわ台駅4番線から乗車

かしわ台駅4番線にやってきました。列に並び、駅員にLINEクーポンを提示し、1日乗車券にそうにゃんスタンプを押して乗車します。

側面の行先表示機には、そうにゃんが表示されていました。

今回は3号車の点検板付近に座り、モノレールや路面電車を除き、相鉄以外では聴くことが出来なくなった「直角カルダン駆動」のサウンドを嗜みながらいきたいと思います。

相鉄8000系(6編成在籍)と9000系(6編成在籍)では、直角カルダン駆動以外にも、外付けディスクブレーキや…

油圧式自動開閉窓といった、他の私鉄にはない、独特の個性を持っています。
8000系・9000系以前の相鉄車では、電磁直通弁式電磁直通ブレーキなどを採用しており、鉄道界のガラパゴス諸島と言った状態でした。

令和の相鉄と言えば、「YOKOHAMA NAVYBLUE」や、都心乗り入れ車両12000系・20000系・21000系。
実物大鉄道模型運転会と称される、JR車と東急車・相鉄車6形式が入り乱れる走行風景や、広大すぎる直通運転などをイメージされるかと思いますが…

直通運転を機に相鉄に興味を持った方は、徐々に横浜発着で活躍する8000系・9000系などにも興味を持っていただき、これまでの相鉄のガラパゴスな沼にもどんどんと堕ちて行ってほしいです。

①かしわ台車両センターで洗車体験

ドアが閉まり、海老名方へ発車。入換信号機にて、かしわ台車両センターへ入庫していきます。

そして入出庫線を折り返し、乗車しながら洗車体験をしました。これは前回乗車した2号と同様です。
洗車イベント自体は、各所で行われていますが、通常の1日乗車券だけでというのは、なかなかありません。

ピカピカになった窓から9000系の台車を拝み、もう一度入出庫線へ折り返していきます。

その後、通常では乗車しながら行くことが出来ないかしわ台駅6番線に入線。
東急5080系と10000系に囲まれながら、10分ほど停車します。

発車時には、職員の方によるお見送りがありました。

②大和駅を消灯しながら高速で通過

かしわ台駅発車後、ゆっくりと横浜方面へ進んでいきます。
そして、大和駅手前で照明を消灯し、ぐんぐんと加速し、全営業列車が停車する大和駅を通過していきます。
大和の地下を高速で通過する体験は、初めてで非常に新鮮でした。

大和駅通過後も加速し、相鉄線内での100km走行を行います。
直角カルダン駆動の音を、ものすごい唸らせながら、横浜市瀬谷区へ入り、惰性走行で進みます。
相鉄線内で100kmを出すことが可能な区間は、

  • 瀬谷~大和 上り線
  • 南万騎が原~緑園都市 下り線
  • 羽沢横浜国大~新横浜

の3区間だそうです。

③全列車が停車する二俣川駅を通過

そして、大和駅と同様、やってくる全ての営業列車が停車する二俣川駅を通過します。
前を走る電車との兼ね合いで、ゆっくりと通過していきました。

④営業運行では入線しない新横浜線へ入線&非常ブレーキ体験

そして、深夜に走る定期回送列車以外では、入線することのない新横浜線へ入線しました。

新横浜線西谷トンネル進入後、33‰の下り勾配上で、非常ブレーキの体験が行われます。
非常ブレーキは、確実にブレーキを指令するため、空気制動のみを用いて、歯車の音を静かに鳴らしながら停止。

全ての軸に備わっている、むき出しのブレーキローターをがっちり押さえ、下り急勾配上でも安定して急減速。
平地で停車するのと、あまり変わらない衝撃で、安心感を覚えました。

⑤記念乗車証配布&羽沢横浜国大駅逆線出発

西谷トンネルに、8000系の独特の重低音サウンドを響かせながら、羽沢横浜国大に5分ほど停車。

また車掌より、相鉄の在来車両8000系・9000系・10000系・11000系は、新横浜線羽沢横浜国大~新横浜間には入線が出来ないという説明が行わました。

折り返し時間の合間に、今回の相鉄線ミステリートレインReの、乗車記念証の配布が行われました。

そして、羽沢横浜国大駅逆線出発で発車しました。
2019年11月から2023年3月の改正までは、早朝の時間帯に運行される区間列車で、逆線出発を体験出来ましたが、今年の改正で、定期回送を除いて廃止されました。

使用車両が8000系という事もあり、このような経験は非常に珍しいものとなります。

西谷駅1番線をゆっくりと通過。先ほどと同様、二俣川、大和も通過していき、あとはかしわ台駅4番線に戻っていきます。

⑥相模大塚駅をまさかの逆線入線、逆線出発

あと10分ほどで、このミステリートレイン1号は、終点のかしわ台駅4番線に着くところですが、ここでさらに通常とは異なる走る方をするようです。

それは、相模大塚駅逆線入線&逆線出発。
普段は使用しない、横浜方の渡り線を使って、相模大塚駅2番線(上り線)を逆走するものです。

15km~25kmの速度でゆっくりと転線し、相模大塚駅に停車。

その後すぐ発車し、留置線を出庫する電車が使う渡り線を使って、下り線に復線します。

ゆっくりとさがみ野駅を通過し、かしわ台駅4番線に逆線入線。

かしわ台駅の渡り線を乗車しながらの通過と、4番線から降車するのも、
定期運行ではできないため、最後の最後もミステリートレインならではの特別な体験となりました。

おまけ:大和駅では部品販売も

かしわ台駅到着前には、大和駅相鉄改札にて部品販売・グッズ販売のお知らせがあり、
4番線到着後、すぐに大和駅へ向かい、鉄道部品を早速ですが購入してきました。

ミステリートレイン2号&3号を撮影

午後の2号と3号もせっかくなので撮影してきました。

2号と3号は、前回同様、普段は絶対乗ることが出来ない厚木線への入線も行われたようです。

8000系8713×10の旧塗装ラッピングは継続

2023年6月19日 相模鉄道公式より、この登場当時のラッピングを、8月中旬まで継続するとの発表が行われました。

詳しくは公式サイトをご覧ください。

令和の時代にこんなイベントを行うのは物凄い

令和の時代、諸々のコストの増加や保安上の観点から、ツアーなどと言った形で、
こういったイベントに参加や乗車するのに、10,000円程度かかる事が、日本各地で一般的になってきました。

そんな中、相鉄の社員が本気になって愛情をこめて、できることを可能な限り詰め込んだイベント運行に、880円の1日乗車券を購入するだけで参加できるのは、改めてすごいと思いました。

特に新横浜線への入線や相模大塚での逆走などは、直通運転で運行管理が大変な中、よく走らせたなと感じ、
また前面部分のみであるものの、登場当時の塗装をできる限りリバイバルしたのは、超驚きです。

ドストレートに言うと「むしろツアー形式でもっとお金をとってもいいんだよ」が、正直な感想です。

多くの方がご存じの通り、相鉄は2023年3月のダイヤ改正で、東急との直通運転を開始。
東急線へ乗り入れるフラッグシップ車両、沿線外の広告を兼ねて、20000系を使用しそうなところを、

これまでの相鉄らしさを保つ=最も相鉄らしさを持つ電車、8000系を用いて、特に地元の鉄道ファンを楽しませるセンスにも圧倒されました。

このイベントを見に来た地元利用者、鉄道ファン、そして相鉄の社員の皆さんが、本気になって楽しんでいるのも伝わってきて、相鉄と共に鉄道ファン人生を歩んできた私としても、非常に満足しています。

あとがき&関連記事

相鉄と言えば12000系や20000系と言った、YOKOHAMA NAVYBLUEの新型車両ですが、
少し足を踏み入れて、横浜からの相鉄の電車に乗って、他私鉄にはない、これまでの個性も味わってみてください。

相鉄グループ情報および直通線情報(鉄道コム)

掲載日コらム
2024年3月10日相鉄10000系、始動する「リバイバルプロジェクト」
2種類の復刻カラー実現なるか!?

【復刻決定おめでとう!!!】
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