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相鉄12000系はなぜ編成ごとの差異が全く無いのか?

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相鉄がJR東日本との直通運転用に、2019年4月にデビューした相鉄12000系。
通勤車両とは思えない洗練されたデザインと、能面の「獅子口」をモチーフにしたかっこいい前面デザインの車両が特徴です。

JRの他路線にはないデザインという事もあり、JR線内でも特急列車並みに注目が集まる車両ですが、この車両は、他の相鉄車と比べて編成ごとの差異がないのが特徴です。

12000系が、形態差がない理由

早速ですが、相鉄12000系が、他の相鉄車と違って、編成ごとの差異(形態差)が無い理由を解説していきます。

結論としては、他の相鉄車と違い、1年間の間に全編成を一気に増備したからです。

12000系は、2019年4月20日にデビュー。同年11月30日に12000系が導入された目的である相鉄・JR直通線が開業しています。

そのため、4月20日デビュー以降、11月30日までの間に、5編成が一気に導入されたこととなります。
11月30日の相鉄・JR直通線開業以後の、2020年3月5日、第6編成目である12101×10が営業運行を開始し、12000系の増備は完了しました。

2018年に1編成が先行デビューした20000系を除く、1つ前の車両11000系と比べると、かなりのハイペースです。

12000系の導入期間

・12101×10:2018年12月21日搬入:2019年4月20日営業開始

・12106×10:2020年2月12日搬入:2020年3月5日営業開始

上記の表より12000系は、搬入日でみれば1年3カ月半の間に、営業開始日で見ればわずか1年以内に、全6編成を導入したことがお分かりいただけるかと思います。

約1年の間に、6編成も投入されたことから、形態差が発生しなかったと考えられます。

これは憶測になりますが、導入時点で乗り入れに関する仕様が制定されていたことや、
過去のJR型ベース車の導入などで、ノウハウがある程度蓄積されていたことによる、フィードバックを行う必要が無かったことも、形態差が生まれなかった要因なのではと思います。

細かい形態差が多くあるのが、ある種の相鉄らしさ

相鉄の車両は、どれも大変個性的ですが、各車両の導入編成数の割に、形態差がたくさんあるのが特徴です。

1990年デビューの8000系は、9年間かけて13編成が製造されましたが、区分としては10次車まであります。
また、前期型廃車・床下機器更新や前照灯移設が進む以前においても、更新工事によってモケット交換の有無や、袖仕切りの有無に差が生じたり、編成によって乗降ドアの交換・未交換などし、特に2008年~2020年頃までは、特にバリエーションが豊富でした。
前照灯移設が完了した現在に於いても、6編成中3形態が見られます。

1993年デビューの9000系は、8年間かけて7編成が製造、区分としては編成数の割に多い5次車まであります。
8000系よりは形態差が少ないですが、それでも中々に面白い物でした。
1編成が廃車、他6編成が全てYNB化された2024年現在でも、車番の位置や優先席モケットの色の違いで、3形態見られます。

JRのE231系をベースとした10000系。
8000系や9000系と比べると形態差はわかりにくくなりましたが、車内案内表示器の乗換案内の表示方法・乗降ドア横のステンレス材の幅・ラインデリア通風口の素材など、より細かく部分で差が生じています。
ベースとなったE231系も同様です。(車両製造メーカーによる形態差も含む)

JRのE233系をベースとし、2018年にデビューした11000系は、5年間かけて5編成が製造されています。
こちらは車内設備に関しての形態差は無く、登場当初、蛍光灯照明だった編成も、全てコイト製の反射式LED照明に統一されています。

11000系は、コンプレッサーに形態差が生まれており、11001×10~11004×10は、スクリュー式MH3124-C1600SN3を搭載。
最終製造の11005×10が、12000系と同じく、オイルフリーレシプロ式のVV180-Tを搭載。後に11004×10のサハ11504号車も交換されています。

2018年に1編成が先行導入され、2020年から2023年にかけて導入された20000系と目黒線仕様車21000系。

2018年に導入された20101×10のみ、LCD車内案内器が2画面ではなく1画面であったり、広告モニターがドア鴨居部ではなく通路上天井にあったりと、この編成のみ他の20000系と大きく異なり有名ですが、今回は2021年~2023年にかけて9編成が導入された目黒線仕様車21000系の細かい違いを紹介します。

前述の通り、21000系は9編成が導入されましたが、2021年導入の21101×8~21104×8と2022年以降導入の21105×8~21109×8で形態差が生まれています。

その違いが、ワンマンモニター付近の前面遮光フィルムです。
20000系・21000系21104×8以前の車両は、透過性のあるフィルムが採用されていますが、21105×8以降の5編成は、透過しない黒いフィルムが貼られています。

また20000系・21000系は、どの編成がまでは把握はしていませんが、編成によって出発合図などに使うブザーの音程が異なります。
このように20000系・21000系も、8000系や9000系みたいに分かりやすい部分から、こまかい部分まで形態差が生まれている事が分かります。

このような細かい形態差も相鉄らしさだなと感じます。

相鉄グループ情報および直通線情報(鉄道コム)

掲載日コらム
2024年3月10日相鉄10000系、始動する「リバイバルプロジェクト」
2種類の復刻カラー実現なるか!?

【復刻決定おめでとう!!!】
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